北海道地震

北海道地震の体験記・1日目。発達障害ワンオペママと幼子3人でがんばった

こんにちは!スモモ@aspe_sumomoです。

わたしは自閉症スペクトラムとADHDがあります。

長女のイチゴ(小1)は、「一見何の問題もない普通の子」に見える、発達障害児(普通級)。とても「不安になりやすい」タイプの子供です。

わたしたち家族は、9月の北海道胆振東部地震を札幌市で経験しました。

今回は、その時の体験を書いていこうと思います。

北海道胆振東部地震発生

平成30年9月6日  木曜日 午前3時7分 59.3秒

長女イチゴ・小1。

次女ニコ・1歳8ヶ月。

三女ミミコ・生後1ヶ月。

夜は少しずつ涼しくなってくる季節ですが、まだ半袖シャツで寝ていても大丈夫な室温でした。

いつもの通り、寝室にセミダブルの布団を2枚並べ、家族5人で転がって寝ていました。

突然の激しい揺れに、わたしは瞬間的に目を覚まし、添い寝していたミミコを抱えイチゴの頭にまくらをかぶせ、旦那の名を呼びました。

旦那が跳ね起き、ニコとイチゴを覆いかぶさるように抱えます。

まくら元に置いていたスマホの画面が四角く光り、緊急地震速報の音と共に非常事態を知らせていました。

のちに6弱と判明した揺れは、建物が根こそぎになるかと思うほどでした。

嵐が過ぎ去るのを待つかのように、子供たちを抱えてうずくまるので精一杯です。

「だいじょうぶだよ~」

と子供たちに声をかけ続けましたが、幼い3人は声も出しませんでした。

かもいにフックでつるしたガラスの額が、音を立てて振り子のように揺れていました。壁に穴を開けられないので、子供たちの写真を飾る場所がなく、仕方なく寝室のかもいに掛けたばかりだったのです。

スモモ
スモモ
( ガラスの額が落ちてきませんように・・・!)

鉄筋とはいえ、外壁にヒビの多い古いマンションです。

もし、天井が崩れたら・・・。

どうか、子供たちの命は奪わないでください。

思いとは裏腹に、揺れはいっそう激しくなりました。

やがて揺れが収まると、旦那はスマホで各地の震度を確認し、会社へ向かいました。緊急時は出勤しなければならない役職なのです。

わたしは、斜めになったガラスの額を壁から下ろし、いつでも逃げられるよう抱っこ紐にミミコを入れ、すっかり目が覚めてしまったニコとテレビを見はじめました。

その頃、また少し大きい余震がありました。

部屋は、1階ということもあり、あまり被害はありませんでした。パソコン台の電気スタンドが落ちていたのと、書類棚にしていた高さ150センチほどのスチールラックがずれていたくらいでした。

イチゴも目を覚ましていましたが、怖がって布団から出ようとせず、頭にはまくらをのせたままでした。

テレビでは地震のことをやっていましたが、まだ被害などの情報がほとんどありません。ヘルメットを被ったニュースキャスターが、「身の安全を確保するように」と訴えていました。

実家の母からLINEが来たので、

「こちらは大丈夫」

と伝えました。

その時、プツンとテレビが消えてしまいました。

あ、来たな、と思ったら、すーっと部屋の電気が消えてしまいました。

「北海道全域ブラックアウト」のはじまりでした。

停電

ニコが泣き出し、わたしはなだめながら懐中電灯を探しました。

ところが、見つからないのです。いつも、意識していないときはそのへんに転がっているのに、いざという時には見つからないのです。

スモモ
スモモ
困ったな・・・困ったな・・・

暗がりの中、めぼしいところをウロウロ探しましたが見つけられず、寝室のデジタル時計の明かりをたよりにようやく1本見つけ出しました。

なんと明るかったことでしょう。その光をたよりに、いくつかライトや懐中電灯を見つけ出しました。

マンションの外では、何人かの人が出て話しているのが聞こえました。

水道はまだ大丈夫

わたしはニコを連れて風呂場へ行き、水道の水が出ることを確認しました。そして、浴槽いっぱいに水をため、ありったけの鍋とバケツにも水をためました。

冷蔵庫のヨーグルトや肉類は、少しでも冷気が長持ちしそうな冷凍庫の方へ避難させました。

茶の間に、非常用持ち出し袋みんなの靴ペットボトルの水を持ってきて置きました。靴はたちまちニコにいたずらされ、ばらばらに散らかされました。

そして、そろそろまた眠くなってきたニコを寝室に連れていき、ミミコと一緒に布団に寝かせました。

イチゴに、

「明日は学校がないかもしれないね」

と話しました。

そして、子供たちが再び眠ったのを確認すると、わたしも抱っこ紐をつけたまま横になり、少し眠りました。

朝起きて、地震後の混乱を目の当たりに

翌朝、6時頃に目を覚ますと、外の光がさしこみ明るくなっていました。

電気はまだつきません。

水道を確認すると、まだ水は出ていました。

ひっきりなしに消防車や救急車のサイレンが聞こえています。

マンションの外で、また何人かが出て話している声が聞こえました。ベランダから見ると、知っているママさんがいました。

スモモ
スモモ
おはよう!大丈夫だった?

ママさん
ママさん
おはよう~!すごかったねえ。子供たちのメンタルは大丈夫?

スモモ
スモモ
うん。今、ぐっすり寝てるよ。

ママさん
ママさん
スモモちゃんのとこは、子供が小さいから大変だね。学校も、1週間くらいは休みになりそうだねえ・・・通学路の道路、陥没しちゃってるみたいだよ。

スマホの充電は無駄にできない

駐車場の自家用車で、携帯を充電している人もいました。

わたしもスマホの充電が心配でしたが、旦那が食卓の上にモバイルバッテリーを置いていってくれていたので、しばらくは大丈夫そうでした。

情報が欲しくて、非常用持ち出し袋の中の「手回しラジオ」を探しましたが、入っていませんでした。旦那にLINEで聞きましたが、すぐに返事が来るはずもありません。

物置のキャンプ用品の中から、ようやく見つけ出しました。

子供たちが起きてきて、イチゴがラジオのハンドルを回す係りになってくれました。

イチゴには、黒っぽいジャージを着せました。災害の混乱時に、女の子っぽい服装でいるのは危険だと思ったからです。

ラジオは家の中では電波が悪く、すぐに充電もなくなってしまうので、しょっちゅう手回ししなければなりませんでした。

充電を無駄にしたくないと思いつつ、時折スマホでネットのニュースをチェックしました。

そして、情報は厚真町や安平町のことが中心で、札幌市の情報はなかなか入ってきませんでした。

学校は臨時休校

小学校から、「本日は全市で臨時休校になった」というメールが来ました。

幼稚園も、すべて休園になりました。保育園は場所によっては開園しているそうですが、今のところ市内のどこでどんな被害が出ているのかもわかりませんでした。

「通学路の道路が陥没している」

というのがどのあたりなのかも、3児を抱えたわたしには、直接確認しに行くすべがありませんでした。

その後、また小学校からメールが来て、

「翌日も休校になる。」

「今後はこのメールも送れるかどうかわからない。」

ということを伝えられました。

実際に、それからはネットもつながらなくなってしまい、タイムラインでシェアされてきた「被害状況を写した写真」らしいものも開くことができませんでした。

土鍋でご飯を炊く

水道と、ガスも大丈夫だったので、腹ごしらえをすることにしました。ミミコには粉ミルク。わたしとイチゴ、ニコは、パンとヨーグルトを食べました。

停電しているので、冷蔵庫の中の、なるべく傷みやすい物から食べていかなくてはなりません。

わたしは、ふだん偏食のひどいイチゴに言いました。

スモモ
スモモ
今、地震が来てみんな大変な時なの。だから、食べ物も好き嫌いをしないで、なんでも食べるんだよ。

イチゴ
イチゴ
うん、わかった!なんでも食べるよ!

あとで、このやりとりがイチゴにとって大きなプレッシャーになっていたことに気づくのでした・・・。

炊飯器は、朝5時に炊き上がるようタイマーをセットしていましたが、もちろんそのまま止まっていました。中には真っ白にふやけた生米が入っていました。

わたしは中身をそのまま土鍋に移し、火にかけました。

炊き上がったご飯は、少しなべ底の方がこげていましたが、食べるのには問題ない程度でした。小分けにしてラップで包み、冷凍庫とクーラーボックスに入れました。

コンビニは長蛇の列

わが家の窓から見えるところにコンビニがあるのですが、早朝からひっきりなしに車や人が出入りしていました。そばの空き地でさえも、ぐるっと囲むように、コンビニに行く人たちが路駐していました。

スモモ
スモモ
ペットボトルの水はまだあるけれど、いつ断水になるかわからないから、少し買おうかな。子供たちが安心するためのお菓子でも、買いに行こうかな。

時刻はすでに10時を回っていましたので、「出遅れた感」はありますが、子供たち用のお菓子だけでも買えたらいいや、と思って出かけました。

ニコ、ベビーカー。ミミコ、抱っこ紐。

途中で、知り合いのご家族に合いました。そこのお宅は3階だったので、揺れは大きく、鏡が割れるなどの被害があったそうです。コンビニはすでに水が売り切れで、カップラーメンしか買えなかったと教えてくれました。

いつもより薄暗いコンビニは、入口の外まで人が並んでいました。店内の一番外側の通路をぐるっと回るかたちで列ができていました。レジの順番が来るまでに、イチゴに好きなお菓子を取ってきてもらいました。

お菓子類はかなり残っていましたが、飲み物の冷蔵庫はすっからかん。辛うじて残っていた緑茶をかごに入れました。カップラーメンの棚も、ほぼ空っぽで、残っていたのは「からいもの」ばかり。子供たちは食べられません。3個だけ残っていた「カップそうめん」を買いました。お惣菜の棚もすでに空っぽで、アイスクリームの冷凍庫には板がかぶせられ、使えなくなっていました。

コンビニは非常用電源によって照明がついていましたが、節電のため点灯させる数を減らしていました。レジや電子マネーも使用できました。

このような時でも店を開け、冷静に業務をこなす店員さんたちに、頭が下がる思いでした。

どうせ停電だし、日暮れまで外遊び

帰宅して、土鍋で炊いたご飯や昨夜の残り物でお昼ごはんを取りました。

買ったお菓子は、子供たちの精神安定剤のようなもの。好きな時に食べていいよ、と言いました。

マンションの外では、子供たちの遊ぶ声が聞こえてきたので、イチゴが行きたがりました。

スモモ
スモモ
災害時だから、あまり外で遊ばせる気にならないけど…少しだけ行ってみようかな。

マンション敷地内の公園では、顔見知りのママさんたちが集まって子供を遊ばせていました。ラジオをつけてくれているママさんもいました。

みんな、同じように子供を揺れから守り、浴槽に水をためたり土鍋でご飯を炊いたりしていたそうです。

「子供たちを抱きながら、を覚悟した。」

と言っていたママさんもいました。

「卵がだめになる前に、ぜーんぶゆで卵にしたよ!」

とため息をつくママさんもいました。

その時に、ママさんたちから

「浴槽などにためた水が濁っていた」

と知らされました。

スモモ
スモモ
やば!!気付かなかった。飲んじゃったし、ミルクも作ったよ。

ママさん
ママさん
まあ、煮沸したなら大丈夫じゃない?

子供たちは元気よく遊び始めました。

ママ達は交代で子供を見ながら家事をやったり、ためた水道水を取り換えに行ったりしました。わたしも、途中で浴槽や鍋にためた水を、入れ替えに行かせてもらいました。水の濁りをよく確認しましたが、わたしにはいつもの水との違いがわかりませんでした・・・。

9月の札幌にしては暑い日で、なぜか異様なほどたくさんのトンボが飛び交っていました。

お友達みんなが虫取りを始めたので、わたしは自宅から網と虫かごを取ってきました。

子供たちはすぐ、

「のどが渇いたー」

と言い、貴重な水やお茶をガブガブ飲みます。

スモモ
スモモ
もったいないなあ。こんな時なんだから、遊びまわるのもほどほどにしてほしいな。

トンボを追ってはしゃぎまわる子供たちを、通りすがりのコンビニ帰りの人々が、よく覗き込んで行きました。それは「嫌な感じ」ではなく、災害にも負けずに遊ぶ子供たちの姿に、目を細めていたようでもありました。

避難所となった小学校へ行ってみる

そのうち、何人かのママさんたちが、

「避難所にはテレビがついているから、行ってみる」

と出かけていきました。

避難所は、イチゴが通う小学校。もしかしたら知っている子たちが来ていて、イチゴも気がまぎれるかもしれないと思い、出かけることにしました。

午前中に買い物に行ったコンビニは、すでに閉店していました。

信号は停電のためについておらず、大きな交差点以外では交通整理も行われていませんでした。子供の手をしっかり握り、よく左右を確認しながら渡りました。

小学校の体育館の入口で受付をすませ、入ると、そこは子供たちの遊び場となっていました。

約4分の3が、バスケットボールや卓球、サッカーなどをして遊ぶ場所。

残りの4分の1とステージの上が、テレビを見る場所と避難スペースになっていました。

イチゴは、友達をみつけて一緒に卓球で遊び始めましたが、バスケットボールやバレーボールもぼんぼん飛んでくるので、乳幼児を連れていては、とても居られませんでした。

学校を出ると、帰り道に、普段は意識して見たことのなかった自動販売機がありました。

当然、停電していて使えませんが、中のジュースや水を子供たちに買ってやりたかったです。

そのとなりの駄菓子屋が開いていることに気づいたので、入ってお菓子を買いました。こんな時だからと、運試しにくじ引きもやりました。いろんな色の、大小の鈴が当たるくじでしたが、なんと一番大きな鈴が当たりました。

女性のにぎりこぶしほどもある、青い鈴です。

くじで当たった鈴
イチゴ
イチゴ
いつも小さいのしか当たらないから、うれしい!

マンションに帰ると、ママさんたちと話し合って、日暮れまで外で遊ばせることになりました。

ママさん
ママさん
どうせ家の中も暗いから、帰っても、気持ちが沈んじゃうしね。

百円ショップのライトと、手作りランプが役に立った

暗くなるまで遊ばせて、家に入ると、すでに部屋は真っ暗。

失敗したと思ったのは、夕食の支度がまだだったこと。ライトの明かりだけで、支度をしなければなりませんでした。

イチゴとニコは、今朝買ったカップそうめんを食べました。おかずは、お弁当用だった冷凍食品です。この時、2人が喜んで食べたカップそうめんの容器は、まだ捨てずに取っておいています。

以前、子供のおもちゃにするつもりで手作りしていた「ペットボトルランタン」と、百円ショップで買ったLDEライトが役に立ちました。

ペットボトルで作ったランタンと、百円ショップのライトたち。右のライトは下方にも光が当たるように改造してある。

コーヒーのペットボトルで作ったランタンは、模様がテーブルに映ってとてもきれいでした。キャップにミニLEDライトをぶら下げているのですが、すぐに電池が無くなってしまうのが難点です。

停電が解消した地域があった

今朝からの異様な雰囲気に、子供たちも疲れ気味でした。

スマホのネットがまた使えるようになりました。

少しでも気を紛らわそうと、本当は電池がもったいなかったけれど、スマホでアニメなどの動画を見せました。

お風呂には入れないし、きれいな水ももったいないので、赤ちゃんのおしりふきでみんなの体をふきました。歯磨きは「歯磨きシート」を使いました。

一部の地域の停電が解消した、といううわさを聞いたので、試しにベランダへ出てみると、電気がついた地域と停電中の地域が、くっきりと分かれているのが目に入りました。

道路をいっぽん隔てて、わが家の周囲は真っ暗。その向こう側は、いつものように明かりがつき、各家庭の団らんが見えるかのようでした。

イチゴ
イチゴ
いいなあ。

スモモ
スモモ
明日には、電気がつくといいね。

ⅬDEライトをひとつ点けたままにして茶の間に置き、早めの時間にみんなで眠りました。

北海道地震1日目・まとめ

今回の地震で、日ごろの準備の悪さを実感できました。

懐中電灯を見つけることに、かなり苦労してしまいました。見つけた何本かのライトのうち、すでに電池が切れてしまっていたものもありました。

また、水道の水は出ていても、濁っているということに気がつかず、自分も子供たちも飲んでしまいました。3ヶ月経った今でも、それによると思われる健康被害はありませんが・・・。

やはり、「水道水は使えない」という前提で、水を備蓄していた方が良いと思いました。

デマ情報も流れてきました。内容は

「〇時頃から、××(地域名)あたりで断水になるらしい」

とか、

「本震は×日に来るらしい」

などでした。拡散している方の中には、普通の友人や親族もいました。みんな、親切心や「たいせつな人を守りたい」という思いで行っていたのだと思います。

わが家は赤ちゃんが生まれたばかりだったので、近所のママさんたちがよく声をかけてくださいました。本当にありがたかったです。

2日目に続きます。

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